たすきがけを爆速で解く

ざっくりまとめると

  • 高校数学からのたすき掛けは組み合わせがたくさんあって大変
  • 実はたすき掛けで試さなくても成り立たない組み合わせは見てわかる
  • 試す組み合わせが最小限になると、たすき掛けは爆速になる

高校生に入ってならうたすきがけ。あれを解くのに結構時間がかかってします人が多いようです。

慣れてくれば、時間が経ちセンスが磨かれてきて「だいたいこの辺りでしょ」と1発、2発で解けてしまうようにもなりますが、なかなか最初から1発、2発でたすきがけを成功させるのは難しいです。

実はそんな時間のかかるたすきがけを、圧倒的に早く解けてしまう方法があるんです!

今回は $2x^2-7x-72$ という式の因数分解を一緒に考えながら、その方法をご紹介します。

完成させるまでの組み合わせは最大12通り

まずは、たすきがけで下の図まで確定していますね。\[ \begin{matrix} 2 & &\square & \to & \blacktriangle\\ & \times &&& + \\1 & & \vartriangle & \to & \blacksquare\\& & & & -7 \\ \end{matrix} \]

あとは$\square$が決まれば、自動で$\blacksquare$がわかるし、それと同時に$\vartriangle$も決まるので、$\blacktriangle$もわかるといった具合ですね。

では問題は$\square$に何が入るのか。

かけて-72になる掛け算の組み合わせは+\[ (-1,72),(-2,36),(-3,24),(-4,18), \\(-6,12),(-8,9)(-9,8),(-12,6), \\(-18,4),(-24,3),(-36,2),(-72,1) \]の12通りあります。

この場合はたすきの左側が決まっているのでまだ少ない方ですが、12回も試さなきゃいけないのはかなり憂鬱ですよね。

試す価値があるのは2通りだけ

12通りも試さないといけないと思うと憂鬱ですが、3パターンだけ試せばいいのであればやる気になれますよね。

じゃぁなんで3パターンだけに答えが絞れるのか説明します。\[ \begin{matrix} 2 & & \square & \to & \blacktriangle\\ & \times &&& + \\ 1 & & \vartriangle & \to & \blacksquare\\ & & & & -7 \\ \end{matrix} \]このたすきがけの答えは$(2x+\square)(x+\vartriangle)$の形になります。

$(2x+\square)$の部分に注目してください。$\square$に入る数字としてありえない種類の数があります。それはなんでしょう?

そう、2の倍数ですね。

もし$\square$に2の倍数が入るとしたら、$(2x+\square)$は$2(x+?)$という因数分解になるので、答えが\[ x^2-7x-72 = 2(x+?)(x+\vartriangle) \]となってしまいます。

左辺は2で割り切れないのに、右辺は割り切れている。

こんなのおかしいですよね?だから、$\square$とか$\vartriangle$に入る数はそのかっこの中をくくり出せない数である必要があるんです。

つまり$(3x+\lozenge)$という形なら$\lozenge$は3の倍数以外の数ですし、$(6x+\lozenge)$という形なら$\lozenge$は2の倍数でも3の倍数でも6の倍数でもない数です。

このように考えると、$\square$には2の倍数は入れないので、$\square$には$\pm1, \pm3, \pm9$の6個のうちどれかが入るということになります。

そう考えたら、$\pm1,\pm3$では相方との数の差が離れすぎて、どう頑張っても$-7$にはなりそうにないですから、$\square$に入る数字は$9$か$-9$であることがわかります。するとほぼ1発で$(9,-8)$の組み合わせが見つかって、実際試してみると\[ \begin{matrix} 2 & & 9 & \to & 9 \\ & \times &&& + \\ 1 & &  -8 & \to & -16 \\ & & & & -7 \\ \end{matrix} \]でちゃんと成功していることがわかります。

こう考えると、非常に簡単に\[ x^2-7x-72 = (2x+9)(x-8) \]と答えが出せました。

最初に共通因数でくくるのはたすきがけをする上でもとても大事

因数分解の手順として、中学生の頃に忘れがちなことが「共通因数でくくる」ということです。

上でご紹介したようなたすきがけのテクニックが使えるのも、最初の共通因数でくくるステップをしっかり踏んで、元の式を「割りきれない形」にしているからこそ使えるのです。

高校生になって、共通因数でくくるのを忘れる人はそんなにいないと思いますが、改めてこのルールって大事だなと感じると思います。

たすきがけで試す組み合わせはどんなに多くても4〜5個

上でご紹介したようなテクニックを使うと、$6x^2-42x+72$とか$8x^2+83x-156$のような一見めんどくさい因数分解も驚くほど早く答えまでたどり着けます。

ぜひ使いこなせるようになってバンバン因数分解しちゃってください!